Deep Silver プロダクションチーフに訊く:Julien氏のもつEU版KOF14への展望

 

今回はプレイヤーへのインタビューではなく,精力的にKOF14の広報活動を行っているEU地域のパブリッシャー・Deep Silver社の中の人に話をきいています.

KOF14の海外展開はどうなっていくのか,そしてSNKとの関係等,短いながらも多くの情報が盛り込まれています.

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元記事:『KOF EU Publisher hints at other titles; 4th Trailer』

http://www.orochinagi.com/2016/06/interview-kof-eu-publisher

※多分に意訳を含みます.ほか,ミスや解釈違い等ありましたらご指摘いただければ幸いです.

 

 

EUパブリッシャーへのインタビュー

KOF14はソニーにサポートされていてそのため,我々はPSブログで最新情報を目にし,ソニーエクスペリエンス・ショーで先行映像を見ることができる.日本での発行元はSNKのままであるが,ヨーロッパではDeep Silver(Koch Mediaの一部門)*1とAtlus USAがパブリッシャーを担当している.ここに,Deep SilverのプロダクションチーフであるJulien El Rabへの,GameloveのOtaXou記者が行ったインタビューがある.ここではさらに我々独自の質問をイントロに盛り込むことが出来た.

(*1:Deep Silverは『デッドアイランド』や『セインツ・ロウ』シリーズ等を手がけていることで知られている.

ちなみにKOF13家庭用版の欧州パブリッシャーはRising Star Gamesであった)

 

―一部のフランスのプレイヤーはあなたのことを知っているようですが,なぜでしょうか?

Julien El Rab「私のKOFとの歴史になるのですが,対戦格闘ゲームのイベントを見物人としてウロウロしていたところを見られていたのでしょう.一番最初に参加したイベントは2001年のBDエキスポです.私は餓狼MOWを2~3年前までアーケードでたくさんプレイし,2002~2004年までKOF98~2002を少し”La tête dans les nuages”(ゲーセンの名前)でプレイしていました.私はカジュアルでも,親友の一人がNEOGEOで全てのKOF所有しており,彼といっぱいプレイしてきました.でも,オンラインやそういったところで熱心にプレイするほどではないね」

 

―あなたの好きなSNKのゲームはなんですか?

「KOF98,餓狼MOW,月華の剣士2ですね」

 

―KOF13はいかがでしょうか?

「13はあまりプレイしなかったけど,本当に良いゲームだと思います」

(以下はGameloveの記事を英訳したもの)

 

―パブリッシュの権利はAtlus USAから受諾を受けたのですか?それとも直接SNKからですか?

「SNKから直接受けましたね.我々はSNKと直接連絡を取り合っています」

 

―e-sportsは格闘ゲームシーンの大きな一面となりつつあります.Koch mediaやDeep Silverはこの点に関して何か計画していますか?

「SNKの企業文化はアーケードに準拠している,というところもありますが,我々が今日耳にするe-sportsに関する動きは多くのデベロッパーにとってあまりに新しいものです.もちろん,それは格闘ゲームにおいても例外ではありません.SNKは我々にStunfestにKOF14を持ち込み,ヨーロッパ初の大きなトーナメントを開くことを許諾してくれました.これらの企画はKOF14に対する我々の大望のあらわれです.例えば,” PlayStation Plus League”*2のような多くの方法や機会がe-sportsにはあります.我々はすべての可能性についてしっかり把握しているし,模索もしています.国際レベルでプロフェッショナルな競技を開くには,もちろんSNKさんと親密に仕事していくことになるでしょう」

(*2:PlayStation Plus Leagueについて,完全に把握しているわけではないが,各シーズン毎にオンラインのトーナメントが複数回開催され,そこに参加して最終的にオンラインあるいはオフラインの決勝に臨む,というシステムであるようだ.Hearthstoneのトーナメントシステムが近いか?)

 

―Stunfestの後,なにかヨーロッパでイベントを計画していますか?

「昨日のプレスで発表したばかりですが,パリで開かれるJapan ExpoでKOF14がプレイできるでしょう」

 

―KOF14について教えて下さい

「豊富なコンテンツを取り揃えたこのゲームは,いわば『基本への回帰』(*原点回帰?)なのです.KOF98や2002のプレイヤーたちは容易にこのゲームに馴染むことができるでしょう.同時に,ラッシュコンボのように新規プレイヤーが参入しやすい特徴を持っています.プレイヤーはボタンを連打することで,スタイリッシュなコンボを決められるのです.我々は全てのタイプと全てのレベルのプレイヤーをKOF14に呼び込みたいと思っています」

 

―つまり,新規プレイヤーに門戸を開いた「基本への回帰」というわけですか?

「その通りです.KOF98,2000,2002のファンで,NEOGEOやアーケード版に定着している彼らを,現代の新規プレイヤーと共に呼び戻そうとしているのです.」

 

―SNKのオリジナルチームに戻ったことは,このゲームにとってなにを意味しますか?

「SNKが『プレイモア』をその名前からなくしたように,変化が感じられますし,基本への回帰をみてとれるでしょう.他のSNKの旧作が戻ってくるというウワサもありますし,実際にそうであることを願っています.すなわち,KOF14が成功することが,これらの旧大作の復活を確実に助けることになるのです」

 

―KOF14は完全翻訳されますか?

「技の名前以外は翻訳しています.技の名前が,例えば『パワーゲイザー』が『Geyser de puissance』になったら90年代アニメの吹き替えみたいに全く変に聞こえるのです.ですので,声の吹き替えに関しては日本語のみにしています」

 

―KOF14はよく売れると思いますか?それともニッチなままになると思いますか?

「ヒットしてもらうためにベストを尽くしますし,我々にできるかぎり押していくつもりです」

 

―ヨーロッパではGuilty Gear Xrdや他のリージョンロックがされた作品のようにアップデートなしでのリリースがなされてきましたが,KOF14について情報はありますか?

「日本と同じようにリリースされるでしょう.ベータ版は,Stunfestで見ていただけたように完全に翻訳されています.アップデートに関しても他の地域と同様です.DLCについては現時点ではこれ以上は知りませんが,ゲームは既に出来上がっていますし,我々は日本の予約特典である京のDLCコスチュームをSNKさんにお願いするつもりです.アメリカの予約特典である金属製ケースも同様にお願いするつもりです.このように,プレイヤーにとって最高のソリューションを約束できるように努力していることをわかってもらえると思います」

(後略)


EU地域パブリッシャーであるDeep Silver社のやる気が伝わってくるインタビューでした.

実際,Stunfestで招待イベントと3日間の体験会を行い,Japan Expoでもイベントを企画するなど,精力的な活動が見られます.今回は全世界ほぼ同時期に発売されるということもあり,力を入れている模様です.

チーフプロデューサーもSNK作品に触れて楽しんできた人物ということもあり,今後の展開に期待が出来そうです.

 

このインタビューにはいくつかポイントがあります.

ひとつめは,EUにおいて「e-sports」分野での展開が期待されること.日本の格ゲー界では『キナくさいワードNo. 1』と言っても過言ではない「e-sports」ですが,EUでは大丈夫なようです.Deep Silver社はイベント等さまざまな方法で働きかけを行っていくことを宣言しています.どこまで大規模にやるのかに関しては明言してませんが,少なくとも『Playstation Plus League』のようなEU地域の大会プラットフォームに則って,定期的あるいは継続的なイベントの開催を考えている様がうかがえます.

ふたつめは,KOF14は明確に「回帰」という言葉をキーにしていること.これは日本の記事にもたびたび登場してきたコンセプトですが,新規プレイヤーだけでなく,分散しているKOFプレイヤー(そしてSNKプレイヤー)を一手に引き受ける作品であることが明言されています.確かに過去のKOFキャラクターだけでなく,ナコルル,タン・フー・ルー,ムイムイ,ラブハートなどSNK(そしてプレイモア)過去作に関わるキャラクターが採用されたり,新キャラの中にもガンイルのように餓狼MOWに登場するキャラの技を使うキャラや,どこかの鳥レスラーを彷彿とさせる恐竜レスラーが出てきています.KOF14はKOFだけでなく,「SNKの同窓会」を目指しているのかもしれません.

また,それにともなって「KOF14が売れれば過去作が出るかもしれないという噂が…」というような発言もなされています.

最後は,Deep Silver社はきっちりとEU地域を視野に入れたリージョン展開をしていく,ということ.例にも出ている『ギルティギアXrd sign』では販売リージョンとしてEU地域が対応していなかったため,アップデートが受けられない等の不都合がありました(Xrd Rはちゃんとアップデートが行われたことが,EUコミュニティではニュースになっていたぐらいです).オロチナギ.comでも記事にされているように,HORI社のKOF14デザインのアーケードスティックが欧州では発売されない,など流通面も含めた問題がどうしてもあります.その点に関してもDeep Silver社はしっかり取り組んでいくことを宣言しています.(日本でもサントラ出して欲しいです)

 

以上のように,積極的な姿勢がみられるDeep Silver社によってEU地域ではKOF14が販売されます.これまで勢いがなかった地域でもKOFコミュニティの活性化がなされることを願っております.

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