オロチナギ.com記事Part3:中国プロゲーマーの雄,シャオハイ氏の語るKOF14

オロチナギ.comでKOF14に関する特集が組まれていましたが,その第3弾として中国のプロゲーマー,シャオハイ氏にインタビューが行われました.

中国の強豪,シャオハイ氏はKOF14のどこに魅力を感じ,そしてどこに不満を持つのか,そして今回もON Gunsmith氏のKOF14への熱弁がふるわれています.

今回はシャオハイ氏のインタビューを中心に議論を簡単にまとめたものとなっています.

元記事:Xiaohai Interview, Hot Footage #KOFXIV

(http://www.orochinagi.com/2016/07/xiaohai-interview-footage-ceo2016)

この記事はプレイヤーからのKOF14のフィードバックに関する記事のPart3だ(*Part1,Part2はこちら).シャオハイはStunfestの後にインタビューを受けてくれて,さらにCEOの後にもいくらかコメントしてくれた.彼の意見の変化が見て取れるだろう.この記事ではエキシビション動画(*こちらは元記事でチェックしてください)と,シャオハイがStunfestでもらった賞品のアートワークも楽しんで欲しい.

多くの質問は中国語のインタビューで行われており,ALX氏によって翻訳されたものだ.

Xiaohai01

 (画像は全てorochinagi.comより)

シャオハイ,Stunfestで24キャラ版を触っての感想

Q. 触ってみた限り,KOF14に点数をつけるとしたら何点になりますか?なにがあなたにとって魅力的でしたか?なにか改善すべき点はありましたか?

(24キャラ版に関して)100点中70点だ.

KOF14はKOF13を単純化したものだけど,とても面白い要素がひとつある.3キャラクターの順番でそれぞれができるコンボが規定されているのだ.

EX必殺技はMAX発動中にしかできないが,1番目のキャラはより短いタイマーゲージしかもってないのでEX必殺技に2回つなぐことができる.2番目のキャラは3回,そして3番目のキャラは4回EX必殺技を使うことができる.3番目のキャラクターはものすごいコンボも決めることができる*1.

(*1:KOF14では,生でMAX発動した場合と,何らかの通常技・特殊技からキャンセルする(クイック発動の)場合とでは,後者ではタイマーゲージが半分になってしまうので,使えるEX必殺技の回数は異なるケースがある.)

そのため,あるキャラクターは一番目がマッチするし,あるキャラクターは2番目がいいかもしれない.このように各キャラクターの順番を決める前に全部試してみる必要がある.このことが最もおもしろいと思った.

―いまのところどのキャラクターが一番好きですか?それはKOF14のシステムがそのキャラクターにとって有利で,結果として差が出ているのでしょうか?

新キャラのルオンが一番好きだ.システムに関して言えば,全てのゲームが同じだ.プレイヤーたちが充分に深く仕様を分析しない限り,キャラクターの間のシステムの有利/不利を実感することは難しい.それは98UMでも02UMでもKOF13でも,全て同じだ.

グラフィックについてはいかがでしょうか?

プレイをする上では問題ないよ.もしあなたが細かいところまで気にならないのであれば問題ない.でも超必殺技でカットインが入るときには…本当に…そこまで良くない….

CEOで36キャラ版をプレイした後のインタビュー

―CEOでのバージョンはいかがでしたか?なにか違いがありましたか?

私が触ったキャラクターたちは変わってなかった.ナコルルのしゃがみCがとても強力だった.あと,執事キャラ(*ハイン)に興味はあったがプレイするチャンスがなかった.

―SNKが変えるべき部分はどこだと思いますか?

バランス調整はどんなものでも良いけど,でもゲームスピードを遅くするのだけはやめて欲しい.実に,(ジャンプはフワッとしているし)ゲームの美しさを損なっている.実際には,SNKがゲームスピードを遅くするのは構わないが,このフワッとしたジャンプだけは耐えられない.KOF13のようなスピードを保って欲しい.そしてよりよいネットコードなら,良くなるだろう.でも,順番によって発動のタイマーゲージが長くなるのは面白いね.とても楽しい.

―つまり,あなたは,ネットコードが良いか悪いかに関わらず,KOF13のようなジャンプを好むというわけですね?

その言い方はおかしい.ジャンプの遅さはそれ自体が論点であって,問題を生み出しはしても,解決するようなものではない.

(*以下,ON Gunsmith氏)

以上が彼がインタビューで語った全てだ.シャオハイは自分の意見に自信があるようだが,私には合意できないところもある.(翻訳者の)ALK氏は「確かにジャンプはゆっくりに感じられたけれど,動画によってKOF13とKOF14を比べた場合,ほぼ同じだったよ*2」と言う.しかし実際,KOF13とKOF14のジャンプを比べるとしても,それはスタートからして間違っている比較だ.家庭用版およびPCのKOF13はアーケードと比べてゲームスピードが速いのだ(*だから家庭用版KOF13とKOF14を比較するのはそもそも基準が異なる,という意味).OK,もちろん多くの人はアーケード版をプレイしたことはないだろうが,ガードしたときの(*ガード硬直における)スピードの遅さはすさまじいものがある*3.個人的には家庭用版の速いスピードは得策ではなかったと思う.KOFは速いゲームだ.KOFのジャンプはオンラインでは速すぎる.すなわち,中段や,すかしジャンプ,普通の小中ジャンプでさえ,多くのオンライン対戦の試合を作り,ぶち壊してきた.人々は読みでこれらをガードしていて,反応によってではガードできない.もちろん,回線状況がよければガードできるだろうが,『ストリートファイター5』が8フレームもの入力ラグ*4を全てに仕込んでいることを考えると,より悪いネットコードのゲームがより普遍的で,より楽しい物になるだろうか?私は地上戦で死ぬほうが,「ガードしたはずの中段を喰らって7割減らされて死ぬ」よりマシだ.遅いジャンプは問題になるのではなく,問題を解決するものだ.SNKは小中大ノーマルジャンプに反応しやすくした.このことについて私だけでなく,多くのプレイヤーが支持している*5

(*2:この動画が該当するものだと考えられる.
*3:例えば,アーケードのKOF13CLでMr. カラテのしゃがみAをガードしたときには,まるで時間が停止したかのようなガード硬直を体験できる.
*4:オンラインの遅延対策.この8Fの入力ラグは,オフラインでボタンを押してからゲームが動くまで常に8Fのラグをバッファとして仕込んでおくことで,オンライン対戦において回線状況や同期ズレによる遅延が生じた場合も,その分の遅延を8Fのバッファから減らすことでオンライン対戦における入力の違和感を減らす工夫である.一方で,このラグがオフラインの対戦にも影響をもたらすとして,議論の対象にもなっている.
*5:ジャンプが遅いことについてはこのサイトのオロチナギ.com関連記事や他の翻訳記事でも支持している人を見ることができる.また,Romance氏も彼のFacebook記事においてKOF14のゲームスピードに関する意見を述べている(リンク先は日本語))

最後に,我々は2つのことを認識しなければならない.ジャンプは壊れておらず,美的観点では損なわれている.そしてネットコードが(これらのジャンプを規定している要素でもあるが)ゲームプレイに違いを与えているのである.もし,KOF14の多くの要素が最低限大丈夫なレベルに達しており,あるものはそれ以上に素晴らしかったとしても,KOF14を活かすのも殺すのもネットコード次第だということだ.βテスト*6はないのか?体験版はないのか?疑問は解決されないままだ!

(*6:ネットを介したゲームではオンライン対戦の状況を見るために,クローズドあるいはオープンでβテストを行うことがしばしばある.前述の『ストリートファイター5』でも,クローズドβテストによってネットコードのテストが行われた.)

ALX氏は彼自身の考えを付け加えた.

「MAX発動のシステムやクライマックス超必殺技は好きだね.でも実際に対人戦になると腹を立てると思う.新しい発動はとても残酷だからだ.ダメージがあまりに高すぎる.1ゲージで50%減るんだから!KOF14では超必殺技のみにゲージを費やすのは,それでゲームが決まる時だけでいいね.ひとつ確かなことは,トッププレイヤーたちがどうやって発動システムを悪用して,KOF14を即死ゲーに変えてくれるのか私は見たい.KOF14は『AC北斗の拳*7』のようなゲームになるだろう.見るのはとてもとても楽しいけど,絶対に自分自身ではやりたくないような…」特記しておかねばならないのは,コンボダメージはこのコメントがなされたときから調整されている.なので,多くの人々は発売時の最終調整に満足することだろう.我々は楽しみにしている!

(*7:\テーレッテー/のBGMで有名な世紀末スポーツアクションゲーム.)

シャオハイは同時に我々に,StunfestのKOF13のトーナメント優勝とKOF14招待トーナメント優勝によってSNKから贈られた賞品の写真を送ってくれた.彼には本当に感謝している.ぜひチェックして欲しい.


いかがでしたでしょうか.

シャオハイ氏が挙げたポイントとして,「遅いジャンプはKOFのゲームとしての美しさを損なう」という点は非常に重要です.ゲームのどこに魅力を感じるのかは多種多様でしょうが,ジャンプの種類と速さは間違いなく近年のKOFの象徴でありました.シャオハイ氏はジャンプをフワッとさせる・遅くすること自体が問題だと捉え,KOF13並のジャンプを要求しています.

(KOF14がKOF13をひな形にして見えることもあるのでしょうが,KOF13はその制約の少なさも含めてジャンプが気持ちがいいゲームです.触ったことがない方はぜひ一度触ってみてください.)

一方のON Gunsmith氏はオンライン対戦まわりの出来がいまの格闘ゲームの隆盛を決定づけるのだから,遅いジャンプでオンライン対戦に対応するのは自然だ,という立場を示しています.実際,家庭用KOF13は良いゲームではありましたが,ネット対戦との相性の悪さに「スパ4バブル期」の非KOF系プレイヤーからは敬遠されていました.KOF13のアーケード版と家庭用版のスピードの違いについても言及されてますが….

個人的にはどちらが言っていることにも同意します.

KOFの速いジャンプ,速いテンポはプレイしているだけで興奮と高揚感を感じさせてくれます.また,簡単に相手を打ち負かす手段にもなります.ただでさえカットイン等でプレイのテンポが損なわれているのですから,そこに不満を持つ意見が出るのは自然です.また,それらはKOF特有のプレイフィールの代表格です.

一方で「KOFはオンライン対戦には速すぎる」という点にも同意します.そのため個人的にはKOFやスト5は全てオフラインでプレイしていますが,それは恵まれた環境ゆえの贅沢です.家庭用で出て,オンライン対戦が主流の現在では,ゲームを作り変えてでも対応しなければならない背景があることも充分わかります.

スピード(およびレスポンス)とオンラインの安定性はトレードオフの関係になっている場合が多く,これらの議論は結論を出すことは難しいですが,少なくともSNK社が出すKOF14がひとつの回答となっていることは確かです.この点について私から結論を出すことは控えさせてもらいます.

しかし,体験会等で触った限りにおいて,KOF14にはKOF14の,特有の気持ちよさがあります.

このブログの翻訳記事でも繰り返しとりあげてきましたが,60fpsでヌルヌル動いて,入力ラグも感じづらく,見た目よりも意外と操作感は気持ちいいです.通常技も振りが速く,ラッシュコンボもあって,ボタンを押すだけでも楽しい要素が増えています.(見て伝わりづらい部分なので体験版等なしに説明せねばならないことが心苦しいです….)

また,50キャラもいる上にうち新キャラが20体弱,それらを動かす楽しさもありますし,既存キャラも仕様が変わっていて新しいアプローチが求められます.そしてシャオハイ氏が言うようなチームの戦略を考える楽しさもあるでしょう.

かわいく,魅力的な新キャラたち

(画像はhttp://game.snkplaymore.co.jp/official/kof-xiv/specialより)

KOFも「歴史」と「文化」の積み重ねがあるゲームです.ですが,「KOFらしさ」は残しつつもさらなる楽しさを提供しようという意図は見て取れるとは思います.プレイヤーの好みや,求めているゲームは,その背景やライフスタイル,所属するコミュニティによっても異なっています.既存のKOFプレイヤー(これも一枚岩ではない)も,新規のプレイヤーも,みんな満足させるのはなかなか難しいとは思います.それでもなお,KOF14がより多くのプレイヤーが共存できるゲームになってくれれば幸いです.ON Gunsmith氏が言うように発売を楽しみにしたいと思います.

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オロチナギ.com記事Part3:中国プロゲーマーの雄,シャオハイ氏の語るKOF14” への8件のフィードバック

追加

    1. コメントありがとうございます.

      そうですね.KOF13も爽快感があるいいゲームなのですが,ネット対戦となると途端にストレスの塊になりますものね.多少ゲーム性が変わったとしても,ネット対戦が快適になって欲しいところです.

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  1. 定番強キャラは誰になると思いますか?自分の予想では庵、ナコルル、キムです。キムは13の名残りで強いままだろうし、他二人は人気的に絶対強キャラになるだろうという予想です。特にナコルルは13のカラテ並みに使われそう。

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    1. コメントありがとうございます.

      発売されていないゲームで,個人的にはKOF14の動画や記事をより多く目にしている,というだけの立場なので話半分で読んでもらえると助かります.

      強キャラはともかく,定番キャラという意味なら使いやすくどの順番に組み込んでも働ける庵,京,キム,アテナあたりは目にすることは多いと思います.これらのキャラは立ち回り,ゲージの使い道等をとってもある程度の水準を満たしているように見えるからです.また,昔から使っていて馴染んでる人も多いでしょう.

      一方で,KOF14はゲージの量や順番で同じキャラでもできることが大きく変わるので,ゲームの研究が進んでいない状況では,なんとも言えません.特定の順番に特化していて強そうなキャラは結構いるので,戦略が煮詰まれば,前出のキャラであっても蹴りだされることもあるでしょう.現に,私の発売初日チームには彼らの名前はありません.

      ナコルルについてですが,強力なキャラクターだと思います.「KOF14では中堅キャラってなにすればいいの?」という疑問への回答のひとつがナコルルになる可能性はあると思います.一方で,強い技や動きがきっちり判明しているので対策が進んでいくとどうなるかわかりません.また,今のところ発動コンボが判明していないので13カラテ並の逆転力を持てるのかわかりませんが,ママハハ絡みで強力な技が多く,ゲージを持つだけで支配力が高まるので,間違いなく対策が必要になるキャラだと思います.

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  2. お早いご回答ありがとうございます!また、詳しくコメントもありがとうございます。ナコルルは好きなのもあるので使いたいですね。とはいえやはり研究進めばわかりませんよね。13で言えばホアが後半使われなくなりましたよね。ナコルルはそうならんで欲しいなあ

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    1. そう言っていただけると幸いです.

      ナコルルは十分キャラパワーありますし,各種戦術に対する武器も揃っているように見えるので,ぜひがんばって使ってみてください!

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  3. 違和感が生じるほどのスローなジャンプが全体的なテンポをダメにしてゲームの中毒性を失わせる事を恐れてるシャオハイの気持はよく分かる
    でも13のジャンプやそれに付随する一部キャラの強烈な被せ・めくり・スカし下段の流れはゲームの展開を安易に崩しすぎた
    ただ、そういった流れを呼びやすかったのは13における全体的な飛び防止用地上通常技の弱さとドライブやEXから出るワンチャンス火力から生み出された所も大きいし、今作は多くのモーションが13に準拠しながらも98~02系のような攻防が多いように今のところ見える
    立ち回りの比重を上げたい意図が見える今作の調整としては成功だし、結局ジャンプスピードは空中攻撃と置いて落とせる技との兼ね合いでバランスを取ってもらう他無い気がする
    個人的には02系のようであれば問題がないのと、過去作のように各種ジャンプの種類が何であったか区別しやすいエフェクトがあることに期待してる

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    1. コメントありがとうございます.

      そうですね,おっしゃる通り,全体的に02無印のような調整が見受けられます.

      確かに13のポンポン飛べるゲームテンポは犠牲になっているのですが,ゲージシステムやMAX発動によりどのキャラでも攻めが通ったときのリターンが噛みあうようになっていることで辻褄を合わせている感はあります(一部カットイン演出は冗長すぎてテンポを失いますが…).

      あと,過去作にあったようなジャンプの種類が区別しやすいエフェクトというのは確かにあったほうが良いでしょうね.現状では多少モーションが異なる,程度なので「置きの地上通常技をノーマルジャンプでスカして~」のような攻防はわかりづらいところがあります.

      ともあれ,個人的にも大枠の方向性は支持できるので,読み合いのバランス調整に期待したいところですね.

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