TSS Atma砂のDavidTSS Paladinにつづいて,Stunfest2016で準優勝に輝いたFrionel氏へのインタビューです.

KOF14の本質的な部分に関する話,出身地域のキャラの話やリージョナルな話など,多岐に渡る話をEU,北アフリカ地域で最もKOF14をプレイしたプレイヤーに訊いています.

元記事:King of Fighters XIV Player Spotlight: Frionel

(http://www.readersgambit.com/king-fighters-xiv-player-spotlight-frionel/)

KOF14までの待ち時間は日に日に少なくなっているが,たくさんの宣伝を見ているととても待ちきれない.毎週新しいトレイラーがアップされ,毎日新しいスクリーンショットがツイートされ,ネットのどこかにハイレベルな対戦動画がアップされている.多くのプレイヤーが知識の井戸を蓄え始めているが,今回のゲストほど蓄えている者もいないだろう.Frionelだ.

いろんなプレイヤーにKOF14についてインタビューをするのはとても楽しかったが,その中では間違いなくFrionelが最も業績を積んでいる.達成された功績は挙げきれないぐらいだ.FrionelはEVOやStunfestで何回も上位進出し,たくさんのトーナメントをものにしてきた.その中にはストリートファイターVのトーナメントでの上位も含む.さらに重要な事は.Frionelは我々が知る限り,世界でもっとも多くKOF14をプレイしていることだ.そしてその成果をStunfest 2016の招待トーナメントでプレイしてのけた.

Q. Stunfestでの健闘本当におめでとう!あなたはStunfest 2016でエントリーした大会の多くで上位に勝ち残っていますが,個人的にひとつ挙げるならどれでしょうか?

A. ありがとう.個人的にはさらにもう一度StunfestのKOF13トーナメントのグランドファイナルに立てたことが本当に嬉しい.2011年のStunfest以来連続でのグランドファイナル進出なんだ.もうKOF13は練習してないけれど,それでも自分の記録を更新できたのは嬉しいよ.

Q. KOF14に関してあなたが豊かな知識を備えていることは明らかですが,新しいプレイヤーに対してなにかアドバイスできることはありますか?

A. 3キャラ使うことを恐れないことだね.KOF14のキャラクターは基本は同じで,プレイの方向性も似通っているから,1キャラをマスターすれば他のキャラクターにも応用が効く.また,KOF14は始める上でもっとも簡単かつシンプルなKOFのひとつということもある.しかもシンプルにも関わらず,奥深さやプレイのバリエーションは犠牲にせず,これまでどおりだ.

Q. KOFにはモロッコ出身*1のファイターはいませんが,もし出てきたら歓迎しますが?もしデザインできるとするならどういった感じにしますか?

A. もちろん.モロッコどころか北アフリカの国をイメージしたキャラクターが出たら驚きだけどね.僕はデザイナーではないけれど,とてもスタイリッシュかつキナ臭いキャラにして,我々の文化や地域に関連した特殊能力をつけたものが見たい.もう『いかにも』なアラビア風*2のキャラクターは見たくないよ.

(*1:モロッコ王国はFrionelの出身地である.Frionelはフランスに住んでいることもあるようだが,モロッコはかつてフランスの植民地であり,現代でも国家間のつながりが深い.

*2:モロッコ王国は宗教に寛容であるが,国教はイスラム教であり,フランス語,スペイン語やベルベル語も使えるが,主な言語はアラビア語である.)

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Q. 招待イベントではずっとルオンをプレイしていたようですが,新しいキャラの中ではお気に入りですか?

A. Stunfestで使えるキャラ(*24キャラ版)の中ではプレイの上ではお気に入りだ.デザインという点ではネルソンやバンデラスのようなキャラが好きかな.

Q. 新キャラクターの中では他に誰が注目していますか?また,今回登場していないキャラのなかで誰に出て欲しいですか?

A. ククリにとても注目している.彼は僕の発売初日のチーム(K’,ギース,ククリ)の一人になるだろう.また,シュンエイとザナドゥにも注目しているよ.最終キャララインナップには満足しているけど,それでもKOF14に出てほしいキャラはいるよ.少し挙げるとするなら,一番はヴァネッサだ.そして,デュオロン,如月影二,山崎,牙刀,クラウザー,シェン,それとネームレスあたりのキャラかな.

Q. KOF14は,KOF13であった複雑なHD発動コンボから脱却し,よりマックス発動に重きを置いているように見えますが,このことはシリーズや我々の知っているEX技にどう作用しているのでしょうか?

A. 全体的なゲームデザインの裏には,シンプル化しながらもコアなファンが求めているものを無くさない,という一貫した考え方があって,本当に成功していると思う.新しいマックス発動のシステムはパワーゲージというひとつのリソースから,様々な選択肢にアクセスさせてくれる.同様に,発動時以外にEX必殺技がないことは新規プレイヤーにとってゲームをシンプルにしている.例えば,ゲージを超必殺技に使えば良いのかEX必殺技に使えばいいのか迷わずに済むからだ.また,対戦で学ぶ上でも,正確に定義されたタイミング(すなわち対戦相手のタイマーゲージがある時間中)でのみEX必殺技やその目的を警戒すればよい.このことは相手がゲージを持っているだけでEX必殺技をなんとかしなければならないのとは大違いだ.

新しい発動システムは,いつものKOFのように,とても危険なままだ.しかし,難易度はより簡単で短く,コンボを覚えることを容易にし,コンボミスを減らしている.実際,EX必殺技および必殺技を交互に出せばよく,とても厳しく,難しかったKOF13のHDコンボと比べると理解して覚えるのがとても簡単になっている.

Q. あなたはソーシャルメディア上でKOF14のパッケージデザインが気に入らない旨の記述をしていました.現在のKOF14のグラフィックについてどう考えていますか?

A. 単にパッケージデザインが気に入らないわけではない.EUの通常版パッケージ絵が北米版特典のスチールケースと同じデザイン*3になっているのはいい.でもEU版でも日本や北米で発売される通常版のパッケージ絵や,KOF14オフィシャルイラストレーターによる2Dデザインされたパッケージも欲しいだけなんだ.

ゲームグラフィックについて言えば,みんなと同じようにKOFがその素晴らしい2Dドットをやめて3Dに移行したことに本当に困惑していた.でも最終的には,SNKはゲームの感じやキャラの雰囲気,個性をちゃんと維持していて,本当にうまくやってのけたと思う.3Dモデルの一部は本当によくて(ロバート,キングオブダイナソー,紅丸),一部は3Dで見るととても違和感がある(アンディ,キム,大門).

(*3:以下の参考画像を参照すると,日本と北米は一番左の京・庵・舞・ナコルル・シュンエイが並んでいる絵が通常版パッケージのジャケットになるが,EU版のみ,右隣のCGデザインのイケメン過ぎる京が振り向いているジャケットになっている.このことがEUコミュニティで議論になっている

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ゲームは技術的な面で言えばPS4の最新ゲームのクオリティには及ばないように見えるが,一方で50体のキャラと17個以上のステージ,たくさんのモード,そして60fps・1080pでヌルヌル動く.個人的には充分釣り合いがとれていると思う.

Q. ではサウンドはどうですか?この方向性はお好みですか?そして,お気に入りの曲はありますか?

A. 新しいサウンド,新しい発動システム,この2つは僕がKOF14で最も好きな要素だ.全てのチームテーマ曲の方向性が大好きだ.多くがオリジナルのKOFサウンド制作チームが手がけているのだろうけど,いくつかの曲には新たな空気とスタイルが感じ取れる.オリジナル・サウンドトラックが待ちきれないよ!いまのところ一番の曲は『Saxophone Under the Moon』だね.毎日欠かさず八神チームのトレイラーを見て,素晴らしい曲に耳を傾けているよ.

Q. 最後に,次にどのトーナメントに出場されますか?また,行きたい地域,トーナメントはありますか?

A.もちろん,来年はトーナメントを回り続けるつもりだ.出来る限りKOF14で戦い続けるよ.唯一の懸念は僕はモロッコ国籍なのでビザの問題が発生しうる.入国ビザをとれる国でのトーナメントなら,僕を出場者にカウントしていて間違いないと思うよ.僕はヨーロッパはとても活発に活動するだろうし(特にフランスとベルギーで),アメリカ,メキシコ,日本,中東,南米への遠征も計画している.

あと,初めてスポンサーを募ろうと思っている.積極的に活動しようと考えている(トーナメントだけでなく,Twitchのチャンネルでの定期配信もするつもりである)ので,良い露出と存在感を企業や,これらの遠征を一緒にやりたいという,チームに提供できると思っている.

我々はここモロッコでもいくつかトーナメントを主催しようと考えている.モロッコのローカルなKOF14のレベルは約束されていて,我々のコミュニティやトッププレイヤーはKOF14に本当に熱を上げている.また,我々はこれまでのどのKOFでも国際的なレベルで戦えるように奮闘してきた.良いチャレンジやレベルアップのための良い練習場所を探しているというなら,モロッコにぜひ来てくれ.

君たちとKOF14ができるのが待ちきれない!もし,KOF14に関する質問があったり,上達するために学びたいというなら,ツイッター(@frionel26)も気軽にフォローして欲しいし,Twitchチャンネル(http://www.twitch.tv/frionel26)にも気軽に来て欲しい.

(※画像は元記事および,Atras USAからの転載です)


いかがでしたでしょうか.

KOF14に対する非常に落ち着いた分析,そしてキャラやリージョンに関する話,と非常に多角的なインタビューになっています.あまり訳者から付け加えることはありませんでした.

なかでも,「出身地域のキャラクター」については興味深いトピックの一つです.それに関連した短い翻訳記事をまたアップしようと思います.