【翻訳記事】EVO2017プレビュー:KOF XIV ―SNK最高のシリーズの帰還― ほか

もう今週末にラスベガスで開催されるEvolution 2017を控えておりますが、今回はshoryuken.comに載せられたEVOにおけるKOF14に関するプレビュー記事を訳しました。

アメリカのコミュニティ視点に寄ったものなので、特に南米、アジア地域における情報の非対称性が見られますが、ザッと目を通す程度の記事となっております。

 

また、後半には北米でのKOF競技シーンについて、昨年行われたKOF一斉調査の結果報告書の冒頭に書かれていた考察部分を載せておきます。WCSもDLCもVer. 2.0もまだ出てない頃の話ですが、欧米KOF14コミュニティがEVOエントリー数に危機感を覚え、「問題は数ではない、パッションだ」と言い変える背景がここにあります。

そして最後に便乗宣伝もあります。

 

 

元記事:Evolution 2017 preview: SNK’s flagship franchise returns with The King of Fighters XIV

(2017年7月4日)

 

2年の空白を経て、SNKのキング・オブ・ファイターズ・シリーズはKOF XIVの形式でEVOのメインステージへ戻ってきた。しかしながら、EVO2017への道のりはコミュニティにとっては比較的険しいものであった。KOF XIVの競技シーンは、少なくても西側世界においては、前作よりも縮小してしまった。KOF XIVは、少なくともゲームプレイの観点からは、間違いなく02UM以来のベストであるにも関わらず、だ。

競技シーンが縮小したとは言っても、それは西側でプレイヤーの熱意が潰えたわけではない。この点については特にシリーズの伝統的な拠点であるメキシコ、ラテン・アメリカでもそうだが、もちろんアメリカも当てはまっている。北南米の大会はおなじみのプレイヤーたちが席巻しており、Arcade ShockのReynald Tacsuan*1、Ramon “ロマンス” Navarrete*2、Luis Cha*3、Eric “Juicebox” Albino*4、チームSpookyの Josh “NerdJosh” Jodoin*5、Raphael “Laban” Ramos*6、Chris “Hellpockets” Fields、などの名が連なっている。

 

*1:レイナルド。EVO2013 KOFXIII部門を日本の強豪、ウー選手を倒して逆転優勝。複数のモードを切り替えて闘うと言われる。KOFXIVでも大活躍中だが、決勝でシャオハイ選手に負けるケースが多い。
*2:ロマンス。ラスベガス在住の強豪。こちらの記事こちらの記事で窺い知れるが、冷静なプレイを積み上げていくスタイル。今作ではナコルルを魂キャラとしており、苦手の紅丸相手にどう運用するかが見ものである。
*3:ルイス・チャ。メキシコの雄。アンディやシュンエイ、ムイムイなど、トップから1ランク落ちる代わりに多彩な攻撃を織りなすキャラを好んで使用する。
*4:ジュースボックス先生。KOFXIII時代からKOFに関するHow to動画を投稿したり、配信したりしている。去年のEVOの発売前大会でもいち早くレオナの可能性に気づいて活躍。
*5:ナード・ジョッシュ。元々ギルティギア系のプレイヤーであったが、KOF XIVで魂キャラであるナコルル、ラブハート、マチュアと出会って以来、その3キャラで何度もトップ8に入賞、活躍を続けている。
*6:ラバン。KOF98勢であり、コミュニティで古くから活動してきた。英語が汚くて翻訳するのに苦労する。こういう事案も起こしている。
*7:ヘルポケッツ。コミュニティ随一のコメンテーター、そしてプレイヤーである。レッドブルに彼のパッションが示された記事が掲載されている。

 

彼らに加えて、以下のような他ゲームのプレイヤーたちもより頻繁に見られている。EGのChristopher “NYChrisG” Gonzales*8はKOF XIIIから大会に出ていたが、直近のCEO2017でトップ8に入るなどKOF XIVではより成功している。一方でUMVC3でChrisGのライバルであるNicolas “ケイン・ブルーリバー” GonzalesもKOF XIVをやっていて、今年日本で開催されたKOF XIV世界選手権(*WCS)にも選出されていた。

*8:クリスG。UMVC3の強豪中の強豪である。EVO2016、UMVC3部門優勝。CEO2017では紅丸、アンディ、ロバートのイケメンチームを使用してシャオハイ選手に肉薄している。
*9:ケイン・ブルーリバー。EVO2015、UMVC3部門優勝。詳細はこちら

 

そしてKOF XIVは西側の外、特に中国で競技ゲームとしてより大きな成功を納めている。KOF XIV世界選手権において、トップ8進出者の多くは中国のプレイヤーであった。何よりもまず特筆すべきはDouyu TV所属のZhoujun “シャオハイ” Zhengだろう。彼は現時点で間違いなくKOF XIV最強のプレイヤーである。もう一人の強豪中国人プレイヤーはPanda TV所属のHaojun “大口” Suである。この2人はDoyou TVやHuomao TV、Panda TVなどのチームに所属している多数の中国トッププレイヤー*12と共に参加することになる。

*10:シャオハイ。EVO2014、KOFXIII部門優勝。レジェンドであり王。海外大会に出場したときにはすべて勝って帰るほどで、KOF WCSの出場枠大会を3つほどシャオハイが優勝していったレベルである。権利は繰り下げ。クーラ、紅丸、庵(そしてルオン)の王道チームを使用する。中国大会でチョイに負けそうになった。
*11:ダーコウ。古来からの強豪でありレジェンド。草薙京を魂キャラとしてきたが、Ver. 2.0の調整以降、京、庵のランクが上がってきたため、トップ争いに絡む可能性が高まってきた。
*12:今回来られるか不明だが、上記の2人を打ち負かすほどのプレイヤーも中国には多数存在している。魔境。

 

もちろん、他の国や地域もKOF XIVで強い存在感を示している。日本人プレイヤーではM’*13、アーケード部品を扱っている三和電子の最初のスポンサードを受けた彼は、KOF XIV世界選手権を優勝することでその名を上げた。一方で、韓国にも伝統的に強力なKOFシーンがあり、EVO2012 KOF XIII部門で優勝した Kwang-noh “Mad KOF” Lee*14は未だに強力な脅威で、もしラスベガスに戻ってきたのなら、またその力を見せてくれることだろう(筆者註:Mad KOFが出場は確定した)。また、ヨーロッパもKOF XIVにおいて強力なシーンを持っており、FrionelやAlioune Camaraもまた、KOF XIV世界選手権でその力強さを見せた。

*13:エムダッシュ。三和電子所属プロ。正統派なキャラ選択ととてつもない勝負勘を携えた、KOF WCS初代チャンピオンである。過去作から無比の活躍を続けており、初海外渡米大会という不安要素もあるものの、EVOでの“活躍”が期待できる。なお、KSB2017ではタクシーに1敗している。
*14:マッドKOF、あるいは、マッドコフ。EVO2012、KOFXIII部門優勝。縮小気味の韓国コミュニティにおいて活躍を継続している。KOFWCSでは暗転返しMAXバースレイで盛り上げる。

 

概して言えば、少ない出場者にも関わらず、国際的なビッグネームがラスベガスに集結していることからKOF XIV部門はEVOの最も盛り上がるトーナメントの一つとなる可能性がある。多くの国々が活躍するEVOのKOF部門はいつも観客を盛り上げてきた。各国の観客をまとめ上げ、興奮度を高めるのだ。時に、EVOにおけるKOFは、各国のプライドが賭けられた、サッカーのワールドカップのように感じられる。このことを念頭に置けば、EVO2017でKOF XIVは、コミュニティのサイズではなく、パッションが重要だということを見せてくれるだろう。

 


 

KOF Survey結果報告書概訳

 

報告書掲載場所:http://dreamcancel.com/2017/03/31/kofsurvey-final-analysis/         https://docs.google.com/document/d/1XeFd4MG9TCWTg7P0xLG8Lce_uCTvccu3iw9b5yKoyEc/edit

(2017年3月31日)

 

#KOFSurvey:我々の現在地と、向かうべき方向性

 

 

パート1:お礼と目的

調査結果の報告を始める前に、KOFコミュニティの皆さまにまずお礼を言いたい。ちゃんと調査を完遂することができた。執筆者が度肝を抜かれるほど、沢山の情報を集められたというだけでなく、世界的なレベルでこれらの情報を集めることに成功した。本調査は7カ国語で行われ、合計4,460人の回答者を得た。人々はSNSでこの調査を広め、翻訳し、宣伝することに協力してくれた。この調査はみんなが協力してくれたコミュニティの功績であり、SNKにも認識されサポートしてもらえた。繰り返しになるが、これだけの成功に導いてくれた皆に感謝したい。

さて、本題に入ろう。

KOFサーベイは3つのパートに分けて分析されることだろう。「概要分析」、「カジュアルvs競技」、「国別比較」(*この記事では概要分析の前の序文を訳したものです)である。これらは我々の調査チームがデータを分類し、コミュニティが直面する重大な問題について感じたものである。それら問題のそのうちのいくつかを見てみよう。

 

1. 低いイベント参加人数:

KOFはニッチなコミュニティではあるが、2012~2013年、KOFXIIIがPS3で発売されてから非常にプレイヤーが増えた。アメリカにおける大会参加者は毎週多くて70人、少なくても16人にのぼった。一方で最近のトーナメント参加者数は伸び悩んでいる。トーナメント主催者たちはコミュニティにおける参加人数の減少に当惑している。南カルフォルニアの心臓部である、WNF(Wednesday Night Fights)はKOFトッププレイヤーであるAS|Raynald、Khanibalito、Luis Cha、Nerd Josh、Romance、その他のプレイヤー達のホームイベントである。そのWNFではKOFXIIIのときには毎週40~50名の参加者がいたが、最近ではKOFXIVで6人以上の参加者を集めるだけで難儀している。

 

2. 露出の欠如:

攻撃的かつハイペースなプレイのため、KOFはプレイも観戦も爽快なものだ。コメンテーターのAS|HellpocketsやMeta_Abeは息を呑むような試合の多くをEVOの壇上で経験してきた。KOFXIIIはEVO2012から2014で公式種目として開催してきてから、息を呑むような試合や、開いた口が塞がらないような驚愕の試合を見せてきた。現在でもKOFは配信されているものの、昔ほど視聴者がいるわけではない。KOFXIVの大きな大会はだいたい1000人の視聴者で、TwitchでKOFXIVのみを個人配信していても10~60人程度の人気しかない。例えば、UMVC3では、大きな大会ではだいたい3000人の視聴者がおり、Honzo Gonzoが示すように、各個人配信に100~200人の視聴者がいる。

 

 

3. コミュニティ形成:

KOFがコミュニティを育てるためには、新しい人々が最新のゲームを選んで、イベントに参加したり、他のプレイヤーと関係を築くことの両面で関わる必要がある。イベントへの参加者は少ないが、同時にKOFをプレイしている人々の数も少なくなっている。KOFXIVの昨年末までの売上は世界合計で約15万7000本の売上である。しかし、KOFXIIIと比べると、XIIIは異なるコンソールで約17万9000本と約15万9000本売っている。売上数から見るにKOFのプレイヤーは減少していると言えよう。コミュニティにおけるコミュニケーションの方法もまた変化している。SNSやメッセンジャーの発展により、直に会って行われていたことがオンラインに取って代わられつつある。SNSやメッセンジャーは便利であるものの、コミュニティの全貌を見づらくし、閉鎖的で個別的なものとしてしまう。そこでは情報源となるものはたくさんあるものの、コミュニケーションの中枢となるものは少ない。

 

調査の目的は、コミュニティを客観的に見て、私たちに何ができるか考えることにある。コミュニティを大きくし、繁栄させるためには、我々は何を学び、見、そしてもっとKOFをプレイする必要があるのか、知るべきである。その答えは私達自身で見つけられるはずだ。

 


 

ポジティブな記事とネガティブな記事を同時掲載することになりました。

前半部は、国際的なイベントのデータに基づいて書かれたプレビュー記事となっております。そのため、一部地域に対して、情報の偏りや非対称性が見られますので、「まあそんな認識なのね」程度の記事になっております。

そして後半部は、冒頭にあった「コミュニティの縮小」に関して、「KOF一斉調査」の結果報告書の序文を引用してきました。(調査は更に前)、北米シーンにおいて見られる競技参加人口の減少について具体的な数字と危機感を以って書かれています。

 

EVOエントリー数が少ないことは「次回以降、メイン競技に選ばれないかもしれない」、「優勝しても大して賞金がもらえない」=「シーンが維持できなくなる」ことと同義ですので、欧米コミュニティが焦るのは間違いないでしょう。特に、競技シーンでコミュニティを作ってきた地域にとっては大打撃です。

 

ただ、焦ってるとは言っても、

「SNKがEVOのパネルセッションをキャンセルしたのはKOF部門のエントリー数の少なさが原因だ」

などと流言がSNSで飛び交う現状が健全だとはとても思えません(これについてはSNKさんも経緯を説明してくれれば…)。

この辺りの今後について、もちろん大会が大盛り上がりになってもらえばそれに越したことはないのですが、コミュニティやSNKさんの動向が注目されます。

 

ともあれ、今週末のEVOに出場される方、および観戦される方は楽しんでもらえればと思います。文中では「ワールドカップのようだ」とありますが、エントリー数の割に様々な地域から強豪出場者が集まっている濃い種目です。濃度が高すぎてプールの段階からクライマックスな組み合わせが期待され、目が離せないことでしょう。

 

 

そして、後半の記事にチョコっと重要な事が書かれています。「SNSやメッセンジャーの発展により、直に会って行われていたことがオンラインに取って代わられつつある」という部分です。この部分は数年前の格闘ゲームコミュニティから、さらに構造が変わりつつあるところでしょう。オンとオフ、どちらがいいと言うつもりはありませんが、オフに臨むハードルが相対的に上がってしまうのはコミュニティにとってマイナスは大きいです。日本ではアーケードコミュニティがそれを担ってきた部分もありますが、家庭用ゲームがメインとなってくるとさらに加速していくかもしれません。

これに対して、現在SNKさんは「e-sports支援プログラム」でオフラインのイベントを奨励しておりまして、日本国内でも各地でオフラインのイベントが行われています。先月末からはアーケード版も稼働して、ますます各地のオフラインでのイベントが活性化していくことでしょう。私もその一助となるようにひっそり対戦会を主催しております(宣伝)。

 

 


ここで唐突に便乗しますが、来月下旬8月27日(日)大阪なんばでKVO Summer2017が開催されます!(宣伝)

 

今回、KOF部門は同日午後に開催されます、「闘神祭・兵庫エリア予選およびエリア決勝」にも配慮したスケジュールを予定しております。午前中が固定2オン2、午後はカジュアルに紅白戦と対戦会を開催します!

 

事前エントリーをして、皆さまお誘い合わせの上、お気軽にご参加いただければと思います。

 

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